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ごあいさつ

国内初のCSO事業(コントラクトMR)誕生から25周年を迎えました

日本CSO*1協会は、医薬品・ヘルスケア産業のアウトソーシングパートナーとして、医薬品等のマーケティング・販売における革新的で高品質なソリューションの提供と、CSO産業の健全な発展を通じて、“良質で効率的な医療・ヘルスケア” と “健やかな未来”への貢献を目指すCSO企業の団体として、2011年6月に設立されました。
*1. Contract Sales Organization:医薬品販売業務受託機関

世界的に医療・ヘルスケアを取り巻く環境が大きく変化する中、CSO発祥のイギリスをはじめとする欧米では、経営の柔軟性を高め、新たな価値を生み出す活動に集中し、生産性を向上させるアプローチとして“戦略的なアウトソーシング”が進展し、CSOの活用率は10%超に至っています。

わが国でも、今年度はコントラクトMRが誕生しCSO事業が開始された1998年から25周年を迎え、CSO協会各社に所属するコントラクトMR等*2の稼働人数は3,637人(前年比213人増、6.2%増)となりました。
*2. MR業務に従事する者のほか、医療機器担当者やMSL、エデュケーショナル・ナース等を含む

また、全MR数が減少傾向にある中で、アウトソーシング率(全MRに占める比率)は、過去最高の7.0% (同0.6%増)に達し、確かな成長を遂げております。

この間、CSOの活用方法も、少子高齢化の進行やこれに伴う労働人口の減少、社会保障費の逼迫、医療の高度専門化、さらに地域包括ケアシステムの推進などさまざまな環境変化を背景に、製薬企業の経営課題が複雑化するにつれ、より戦略的なものへと進展しています。

従来からのコントラクトMRに留まらず、MSL*3やエデュケーショナル・ナース*4等の専門職や、フィールドマーケター、トレーナー、地域包括ケアシステムの推進を支援する職種など、多様な担い手が活躍するようになっており、特定の製品や疾患領域、エリア等を包括的に受託するCSOマネジメント型モデルをはじめとして、CSO独自のノウハウを活用し、営業・マーケティングからメディカル領域にわたる幅広いサービスが展開されています。
*3. Medical Science Liaison:疾患領域やその研究において指導的立場である医科学専門家に対し、医学的・科学的見地から情報活動を推進
*4. 臨床経験のある看護師が、患者ケアの促進等を通じて医療アウトカム向上を支援

さらに、CSO活用企業数も、製薬業界から、医療機器等の企業や医療機関(病医院・薬局)など、広くヘルスケア業界へとすそ野が拡大し、2022年は155社と過去最多に上っています。

今般のコロナ禍を契機に、“不確実性”への対応が重要性を増し、さまざまな“ニューノーマル”が加速している中にあって、CSOの「役割の深化・拡大」と「フレキシブルリソース」としての戦略的活用が進展することで、日本でも今後、欧米並のアウトソーシング率(10%超)へ近付くことが見込まれます。

日本CSO協会は、変化し続ける医療・ヘルスケア業界の「変革実行パートナー」として、CSOとコントラクト人財*2のさらなる価値向上に邁進し、“患者中心の医療・ヘルスケア実現”に貢献してまいります。

2023年6月 日本CSO協会
会長 木﨑 弘