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Vol.50:医療広告ガイドラインとウェブサイト作成について

インターネットの普及により、皆さんも医療機関の情報を収集するためにウェブサイトを利用することが当たり前になっていると思います。
来院される患者さんも同様で、ある会社のデータによると、「医科では1/20、歯科では1/40」という数字が出ています。これは、医療機関のウェブサイトを閲覧した20人に1人、もしくは40人に1人が来院しているというもので、閲覧回数が多くなればなるほど、それだけ来院する患者さんの数が増えるという計算になります。(但し、上限はあるようですが。)

医療機関の情報を簡単に手に入れることが出来るようになった一方で、美容医療サービスを始めとする自由診療に関する消費者トラブルが増加したことも否めません。

元々、医療機関に関する広告は、患者さん等の利用者保護の観点から、平成19年4月に施行された「医療広告ガイドライン」によって規制されていましたが、医療機関のウェブサイトは、「一般に広く認知される『広告』ではなく『情報提供』にあたる」とし、「医療広告ガイドライン」の規制対象外とされていたのです。
しかしながら、消費者トラブルが相次いだことを契機に、平成24年9月、厚生労働省によって国民・患者を誘引する虚偽又は誇大な内容等のホームページに掲載すべきでない事項、治療内容、費用、治療のリスク等のホームページに掲載すべき事項をまとめた「医療機関ホームページガイドライン」が定められました。

その後、平成28年4月に厚生労働省が医療機関ウェブサイトを広告規制の対象とする検討を開始し、平成30年5月8日には、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)等について(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000206548.pdf)を発表、平成30年6月1日改正医療法が施行され、医療機関ウェブサイトも医療法の広告規制を受けることとなり、是正命令や罰則の対象になりました。

厚生労働省HP内 「医療法等の一部を改正する法律」の概要について(医療に関する広告規制の見直し)(平成29年6月14日)より一部抜粋

※厚生労働省HP内 「医療法等の一部を改正する法律」の概要について(医療に関する広告規制の見直し)(平成29年6月14日)より一部抜粋

一方で、ウェブサイトを有効活用することで、経営に活かしている医療機関も多くあります。
では、上手に経営につなげている医療機関のウェブサイトには、どのようなポイントが隠されているのか。その事例を紹介したいと思います。

1. 制作の目的を明確にする
第一にウェブサイトを作る目的を明確にし、優先順位を付けることです。
新規の来院を増やすのか、再来院の方に情報発信を行うのか、また、地域の患者さんに来てもらうのか、遠方からも来てほしいのか、などなど、多くの方の目に触れるものだからこそ、ホームページを作成する目的を明確にする必要があります。
目的に沿った見せ方【「サイトの構造」、「コンテンツ」、「説明文(ライティング)」、「デザイン」】をすることで、効果的なSEO*対策を行うことができます。
* Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)

2. 医院の強みを明確にする
これはとても大切です。作る側から見れば当たり前のこと、◯◯科と書いていれば分かるだろうと思われるかもしれません。
しかし、見る側からすると、意外に分かりづらいことも多いのが事実です。
上手に患者数増加に結びつけているウェブサイトは、TOPページで何に強みを持っているかが一目でわかるサイトを構成してします。医院の強みや何ができるのかを明確にする、そして、詳細に書くことによって、内容に信憑性を持たせることができるのです。

3. 導線を考えて制作する(Webデザインを見やすく、分かりやすく)
作る側は、どこかに書いていれば見てくれるだろうと思ってコンテンツを作成しますが、実際のホームページの閲覧ページビューは平均2〜5ページ程度です。そのため、見たいと思われるホームページにするためには見せる順番、導線をしっかりと考えなければいけません。

4. スマートフォン対応のサイトを作成する
昨今、ウェブサイトへのアクセスはスマートフォンからの利用が増加しています(下図参照)。ただし、スマートフォンはパソコンと異なり、優先順位があいまいであると、見てほしい情報にたどり着くことが難しくなり、非常に分かりづらいものになりかねません。
そのため、優先順位をつけて、スマホファースト(スマートフォンを優先した)デザインでWebサイトを作成することも考える必要があります。

総務省「通信利用動向調査」より抜粋

※総務省「通信利用動向調査」より抜粋

読者の皆さんの多くは、実際に医療機関のウェブサイト作成に関わることはないとは思いますが、医療広告に関する知識を持っていることは無駄にはなりませんし、「患者さんから選ばれる」医療機関を目指し、訪問する施設がどのような対応を行っているのか、関心を持って閲覧しておくと、面談の際に話題が広がるのではないでしょうか。

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