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MRのためのよくわかる○○○

Vol.1:「病院機能報告制度の話」

みなさんはじめまして。
今月から「MRのためのよくわかる○○○」シリーズが始まりました。このコラムではMRさん向けにお役にたてる情報発信をしていこうと思っていますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

さて、 第1回目の今回は話題の病院機能報告制度を取り上げます。

病院機能報告制度とは、病院がこれから提供していこうとする医療機能「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」に分けて報告する制度となります。今まで一般病床と療養病床という大きなくくりでしか分かれていなかった病院の入院機能を法律上4つに区分していこうとしているのです。

病院は、自分の病院が将来的に提供していきたい機能を平成26年度に都道府県に報告、都道府県はその報告を受けて、地域の患者の実情も踏まえて「地域医療ビジョン」を策定していきます。「地域医療ビジョン」には、2次医療圏ごとの医療機能別の必要量、医療機能の分化・連携を進めるための施設設備などを平成27年度に明確にしていきます。

この医療機能別の必要量とは、言い換えれば定員です。それぞれの医療機能に必要な病床数が明確になるのです。

医療機関側は都道府県が示すビジョンを見て、将来の需要や必要量から再度自分たちの果たす役割を検討、医療機関同士の話し合いなどを経て、機能を決めていくことになります。

病院側にしてみれば、都道府県から経営判断の資料を提供してもらえるのですが、その代わりにはっきりとした経営ビジョンの打ち出しを求められます。

高度急性期や急性期を選ぶのであれば、その医療圏の基幹病院として設備投資も充実させ、最先端の医療の提供をしていかなければなりません。一方で回復期や慢性期を選択すると、診療報酬点数の面で急性期ほどのものは期待できなくなります。病院側も厳しい選択が求められるのです。

多くの病院は、平成15年に病院病床を一般病床と療養病床に区分することを経験しましたが、今回はその時と比べて大きな変化になるでしょう。まず、当時よりも選択肢が多く、しかも都道府県がビジョンを打ち出す上、必要量という概念があるため、近隣の病院との調整も不可欠になります。

今回の医療機能の細分化は、11年後の2025年を見据えての長丁場となりますが、その代わり、今まで以上にダイナミックな改変になっていくでしょう。現在の政策で、急性期としての機能が期待されている7対1入院基本料を算定している病床数が多く、これを削減して回復期などにシフトさせようとしています。

MRのみなさんにとっては得意先の施設がどのような機能に代わるのかというのは、重要な問題になるでしょう。患者さんの流れも変わるでしょうし、場合によっては処方される薬剤の種類にも変化が出るかもしれませんね。

執筆:日本CSO協会 特派員T.T.

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