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Vol.4:医療を取り巻く環境変化で、営業・マーケティング変革が問われるなか戦略的なCSO活用が伸展

外資企業と内資大手で目立つ伸び

今回はより具体的にCSOがどのようなところで伸長しているのかを見ていきましょう。

2009年から2011年の3年間で、年率30%以上の伸びを見せたコントラクトMR数ですが、特に外資企業での増加が顕著でした。外資企業と内資企業で分けた際のそれぞれの伸び率は、外資企業が47.4%で、内資企業も10.5%と、同時期の製薬業界全体のMR数の増加率(約2.3%)を大きく上回っています(図)。


*コントラクトMR数は、受注ベースの人数に基づき実稼働数を算出。MR業務に従事する者のほか、医療機器担当者やMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、エデュケーショナル・ナース等を含む
**全MR数は、MR認定センターによる「MR白書」の2008年度、2009年度、2010年度データ(各翌年3月31日付調査)に基づく

内資企業の中でも、目立ってコントラクトMR数を増やしているセグメントも。MR数が1,500名以上の大手企業では、2009年から2011年の3年間で年率58.1%と外資平均を上回る大幅な増加を示しています。

製品価値最大化のための戦略オプションへ

なぜこのような形になっているのか、ひとつにはMRを1,500人以上抱えている大手内資企業が置かれている状況があると考えられます。大手内資企業は、早くから海外進出を積極展開しており、結果として売上高に占める海外比率が50%を超えるところも珍しくありません。売上の多くを北米や欧州が担っているという点で、外資企業と近い構造になっているのです。そうなれば、自ずと外資企業が置かれている競争環境と同様の状況に。

大型製品の特許切れは急激な売上低下をきたし、新薬を発売しつづけなければ持続的な成長は困難となります。経営の柔軟性が必至となり、必要なときに必要なだけMRをアウトソースするべく、CSOの出番となるのです。

また、欧米では新薬パイプラインにおけるプライマリケアとスペシャルティケアの構成比が逆転。わが国でも、開発のみならず、営業・マーケティングのあり方を大きく変える必要性が問われています。

製薬各社におけるそうした戦略変革の方向性は、領域専門MRをはじめ、多様なCSOサービスに対するニーズの高まりにも反映されています(図)。

 

例えば、がん領域に携わるコントラクトMR数は、2009年から2011年で275.5%の伸びを示し、コントラクトMR全体に占める割合は11.1%にまで上昇(図)。

がん領域に先んじて新薬上市ラッシュが始まったCNS領域では、既にコントラクト全体に占める割合は47.5%となっていますので、最大の開発品数を抱えるがん領域においても、CSOの戦略的活用の進展と相まってこのトレンドは加速していくことが予測されます。

スペシャルティ領域では高度専門人材の確保に課題

こうした動きの背景には、スペシャルティ組織の人材確保には課題が少なくなく、コストや人材流出などのリスクを伴うことも考えられています。

【スペシャルティ組織の人材確保における課題(例)】
◆領域専門分野拡大に伴い自社のハイレベルのMRを投入したいが、そうした人材は売上貢献度が高く、専任部署への配置転換が容易ではない…
◆領域専門MRは、その領域で最先端の医療に携わることにやりがいを感じているケースが多い。一方で、必ずしも新薬パイプラインが続くとは限らず、人材流出が生じたり、他領域でのキャリアを望まない場合には人員過剰となりうるリスクも…
◆個別化医療に対応する幅広い臨床知識を常にアップデイトしていくことは、研修体制面の負担を要する…

高度な専門性をもった外部リソースを必要に応じて活用することで、アウトソーシング本来のメリットがよりインパクトをもつスペシャルティ領域。コントラクトMRのさらなる活躍が期待されます。

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