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ケース8:【PMS専門MR】業務の重要性を理解し、質の高いデータの収集を通して医療に貢献


中井 泰大 (Nakai Yasuhiro)
[プロフィール]
内資医薬品メーカー、外資医薬品メーカーでのMR経験を経てCSOへ。PMS専任者として医薬品、医療機器の製造販売後調査を主体に、医薬品の臨床研究も担当。


「PMS専任者」としての役割:質と効率の実現

私は現在、PMS専任者としてクライアントから依頼された施設において、製造販売後調査に関する業務を実施しています。具体的な業務内容としては、責任医師への実施要綱説明や事務局へのIRB申請書類の提出、症例登録の確認、症例報告書の回収、有害事象への対応などになります。また、医薬品の臨床研究も担当しており、モニターとして施設でのモニタリング業務を実施していますが、その内容は試験開始前の施設選定、責任医師選定、試験参加への依頼、事務局へのIRB申請書類の提出、セットアップミーティングの実施、症例登録依頼、候補症例の適確性確認、治療・観察スケジュールの確認、有害事象への対応、症例報告書とカルテ等の照合など多岐にわたります。

これらの業務を質と効率を両立させながら遂行していくことが、PMS専任者の役割です。

「君が担当している調査だから」
ドクターを動かすために、専任者ならではの工夫を

製造販売後調査はドクターやMRにとって、日々の多忙な業務の中で優先順位がどうしてもそう高くはない状況が多いと思います。しかし、適確な調査を実施し、質の高いPMSデータを収集することにより、製品の適正使用推進および患者さんの治療に貢献することにつながるとても意義のある業務だと思っています。

調査にあたっては、まずPMSを依頼するドクターに調査の目的をしっかりご理解をいただくこと、その後もドクターとのコンタクトを密にし、調査へのモチベーションを高く保つよう働きかけることが必要になりますが、その際に対象疾患の標準的治療のみならずドクターの治療方針も十分理解することが大切なポイントです。

また、ドクターに煩雑な症例報告書を作成していただくための時間をいかに作ってもらうかも難しいところです。「お時間があるときにお願いいたします」では、いつになっても回収できません。ドクターのスケジュールを把握し、たとえば毎週火曜日17時に訪問し、「20分だけでも良いのでお願いいたします」というように粘り強く依頼するほか、ドクターが症例報告書を作成しやすいように、調査の要点を表にしてお渡しするなど、通常のMRでは実施しないような工夫をすることで、なかなかご協力いただけなかったドクターからも依頼していた全ての症例のPMS業務を完了することができ、クライアントから高い評価を受けました。この調査では完了間際にドクターから「君が担当している調査だからやりましたよ」という言葉で褒めていただいたことも強い達成感につながりました。

また、弊社からのPMS専任者が15名ほどで実施した全例調査のPMSにおいて、調査票回収率でNo.1となったこともあります。

今思えば、私自身もメーカーでのMR時代は、施設での申請書類や契約書に関してはわからないことも多く、プロトコールや症例報告書の内容も把握できていないまま、ただ先生に記入をお願いしていたこともありました。今では内容や記入方法などについて先生に説明できるだけの知識やスキルをもとに、どうしたらドクターがより作成しやすいかということまで工夫が出来るようになりました。また、複数の試験・調査を担当することで身につけた、小児科、心血管、内分泌・代謝、免疫、遺伝疾患等の幅広い知識を後輩の指導にも活かしています。これからもPMS業務の重要性を理解し、質の高いデータの収集を通して医療に貢献していきたいと思っています。

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