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ケース9:【MSL編】さまざまなステークホルダーとの信頼・連携体制を構築


牧野 龍太郎 Ryutaro Makino
[プロフィール]
大学・基幹病院担当MRとして、内資メーカーで循環器・感染症領域5年、大手内資メーカーで医療機器3年の経験を経てCSO業界へ。
2社のプロジェクトでコントラクトMRとして活動後、社内臨床開発部門でCRA教育研修修了認定を取得・モニタリング業務を経験し、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)に従事。現在は、大手内資メーカージェネラル領域プロジェクトのリージョナルマネジャー。


MSL(Medical Science Liaison:メディカル・サイエンス・リエゾン*)
*リエゾンは仏語で「橋渡し」の意

サイエンスに基づく情報活動で、KOL(Key Opinion Leader)医師との継続的なリレーションを推進するスペシャリスト

医薬品開発が革新的・専門的な薬剤へシフトするなか、新たな治療法や薬剤に対する医療現場の理解を高めるうえで、KOL(Key Opinion Leader)医師と連携した情報コミュニケーションの重要性が増しています。

近年、欧米に続き日本でも、MSL(Medical Science Liaison:メディカル・サイエンス・リエゾン)と呼ばれる、サイエンスに基づく情報活動を担うスペシャリストが橋渡しとなって、これを加速させる動きが活発化し、CSOへの新しいニーズとなっています。

新たな治療法や薬剤に対する医療現場の理解を高め、医薬品の医療への貢献度を最大化する

医薬品が開発段階を経て、製造販売承認申請から上市に至る約2年から3年の期間は、ともすると医薬品情報が滞留しがちに。

そこで、研究開発部門等と連携して、治験医師や当該疾患領域の専門医を中心とするKOL医師との継続的なリレーションを推進することが、MSLの重要な役割の一つとなってまいります。具体的には、「どのような病態の症例に、どのように使用されるとより有用なのか」、「新しい可能性や知見を見出し、確立するには、どのような研究・エビデンスが必要なのか」など、科学的な見地から討議・検証等を行います。

このほかにも、MRさんに対するトレーニング等、MSLの活動範囲は非常に広範に渡ります。
【医療現場における活動の例】
・サイエンスに基づく情報活動で、KOL医師との関係を構築
・アドボケーターの育成
・Dr to Drの情報ネットワークの構築
・医療現場への講演会、研究会、その他各種プログラムの企画・実行
・臨床研究支援 等
【クライアント製薬企業における活動の例】
・国内外の最新知見の収集・分析・発信
・市場製品戦略の検証、見直し提案
・MRトレーニング支援 等

スピーディな対応とMSLならではの専門スキルで、さまざまなステークホルダーとの信頼・連携体制を構築

当時のクライアントは初めてのMSL導入ということもあり、いかにMRさんをはじめとする営業現場の既存の活動に支障を及ぼすことなく、MSLとしての活動を行うかが最初の課題に。また、医療従事者の方々には、MSLという新しい役割をご理解いただくところからのスタートでした。

そのような状況の中でまず徹底したことは、依頼や問い合わせに対するスピーディな対応です。また、KOL医師に対応できる専門スキルを磨くため、とにかく貪欲に知識の吸収に努め、海外論文だけでも2年間で550報以上を読み込みました。自社臨床開発部門でのCRA教育研修(GCP基本知識と実地訓練)にもチャレンジ。こうして習得した知識をもとに、仮説を立て、さまざまな可能性を考慮してKOL医師とのディスカッションを重ねることで、早期に信頼をいただくことにつながったと感じています。

コントラクトMRとして培ってきた、短期間での関係構築や折衝スキル、ドクター組織化や医療連携、講演会や研究会の企画・運営などのノウハウを応用することで、プロジェクト終了時には、アドボケーター育成数においてクライアントMSL平均の約4倍の実績をあげ、クライアントのMSL本格導入のパイロットケースとして役割を果たすことができました。

日本では、まだMSLの可能性が模索されている段階ですので、将来的には、この経験を活かしてMSLチームのマネジメントを担い、新しい役割としてのMSLの確立に貢献できればと考えております。

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