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ケース10:【エデュケーショナル・ナース編】治療効果の最大化における新しいアプローチ


松村 裕之 (Hiroyuki Matsumura)
[プロフィール]
異業種出身MRとしてCSO業界へ。さまざまな疾患領域でのリージョナルマネジャー、プロジェクトマネジャー経験をもとに、新しいCSOサービスとなる、エデュケーショナル・ナース・プロジェクトを牽引している。


治療効果の最大化に向けたエデュケーショナル・ナースによる新たなアプローチ

エデュケーショナル・ナース・サービスは、看護師などの専門スタッフが、臨床ノウハウに基づく医療従事者向けの教育・啓発など、従来のMRチャネルとは異なるコミュニケーションを展開するもので、欧米では広く普及しているサービスです。

例えば、新しい作用機序の抗がん薬における副作用マネジメントや、慢性疾患における服薬指導や生活習慣改善によるアドヒアランス向上など、対象範囲は多岐にわたりますが、いずれも治療効果を最大化し、患者さんのQOL向上を促進するための新たなアプローチとして日本でも関心が高まっています

看護師をはじめとするメディカルスタッフへの情報活動を強化し、治療効果を最大化

現在担当している新規抗がん薬は、経口剤のため、副作用により患者さんが服薬を中断してしまうことが治療効果を妨げる要因となります。このため、患者さんにより身近な立場からチーム医療を担う看護師などのメディカルスタッフが、副作用の予防や対処を患者さんが自ら行えるように(セルフケア)指導し、薬剤の適正使用を促すことは、治療上の大きなポイントとなってきます。

そこで、MRとの連携により、院内勉強会や、講演会・学会等を通じて、メディカルスタッフへの患者指導等に関する啓発プログラムを推進することが、非常に重要な位置付けとなってくるのです(具体的には副作用マネジメントの教育や、患者指導用マテリアルの提供など)。

プロジェクト開始当初は、日本で「エデュケーショナル・ナース」という概念がほとんどなく、その活動内容が理解されにくい面もありましたが、医療機関のニーズ調査をもとに、より実態に即したプログラムを企画・実践することにより、現場の課題を共に解決する一員として認知いただけるようになっております。

エデュケーショナル・ナースの最大の強みは、何よりも実際の臨床経験を有することです。そこに、企業人教育や、プレゼンテーション、ファシリテーションなどのコミュニケーションスキルを研鑽することで、こうした従来の看護師の枠を超えた活動が可能となっています。

1,800人を超えるメディカルスタッフ向け教育プログラムが、副作用マネジメントにおける新しい取り組みとして、学会でも取り上げられるように

これまでの勉強会参加者数は1,800人を超え、その9割以上から肯定的な評価が得られています。副作用マネジメントにおける新しい取り組みとして、看護関連学会での発表(本年2月)が決定する大変嬉しいニュースも飛び込み、手応えを深めております。「同じ医療者の目線で話をしてくれるので、実務にすぐに役立ち、大変助かっている(医療機関)」、「看護師としての高い倫理観と活動は、企業価値の向上にも有用(クライアント先である製薬企業関係者)」といった各所からの声は、本サービスのさらなる拡がりを予見させるものと感じています。

赤十字病院などでの勤務後、海外メディカルスクールの留学を経てCSOへ転身した、当メンバーの一人は、「海外の先進事例も取り入れながら、医療従事者に対するサポートという新しい役割で、これからの医療に貢献できることは大きなやりがい」とその魅力を語っています。

医療現場を熟知したエデュケーショナル・ナースは、治療効果の最大化における新しいアプローチとして、さらなる可能性が期待されます。

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