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Vol.9:2012年度CSO年次報告「わが国のCSO事業に関する実態調査」を発表

製薬大手企業から波及するCSO活用規模の大型化と、市場の裾野の拡大が成長ドライバーに

日本CSO協会は4月4日、都内で2012年度活動報告会を実施し、国内市場の実態調査を発表しました。

コントラクトMR(CMR)数は、2012年には前年比10.8%増となる3,365人へ増加。年率平均23.9%の伸びで、全MRに占める割合も5.3%へ拡大していることが明らかとなりました。
(2012年10月1日時点、加盟9社によるアンケート調査)


*MR業務に従事する者のほか、医療機器担当者やMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、エデュケーショナル・ナース等を含む2009年~2011年のコントラクトMR数は、受注ベースの人数から実稼働数を算出
**全MR数は、MR認定センターによる「MR白書」の2008、2009、2010、2011年度データ(各翌年3月31日付調査)に基づく

こうしたCSO急成長の要因として、「活用規模の大型化」と「市場の裾野の拡大」の2点があげられます。

まず、活用規模の大型化ですが、当初より積極的にCSOを活用してきた製薬大手企業を中心に、1社あたりの平均活用人数が増加。MR数1,500人以上の企業群で2010年に100名を超えたのに続き、2012年は1,000~1,499人の企業群でも100人を突破。製品のライフサイクルや、営業戦略の見直し等に応じて、柔軟かつダイナミックにCSOを活用する戦略的な使い方が浸透するなか、「大規模活用」の動きが大手から波及していることが示されました。

一方、市場の裾野の拡大においては、2009年から2012年にかけて、500人未満の企業群でCSO活用企業数が24社から39社に急増。2012年は相対的にコントラクトMR数では減少をみたものの、後発品企業や医療機器、診断薬企業を含んで、市場の裾野を押し広げています。


*MR業務に従事する者のほか、医療機器担当者やMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、エデュケーショナル・ナース等を含む
2009年~2011年のコントラクトMR数は、受注ベースの人数から実稼働数を算出
**日本CSO協会調査に基づくCSO活用企業各社のMR数

 
製薬企業を取り巻く環境変化のなか、多様なサービスが拡がる

コントラクトMRを活用する目的のトップは「主力製品強化(65.5%)」、次いで「欠員補充(37.2%)」でした。2012年は例年に比べて新薬上市が少なかったことから、「新薬上市(36.6%)」は4%低下、3位となりました。

前回調査に比べ大きく伸びたのが「非注力品カバー(前年比8,158%)」で、コントラクトMR全体に占める割合も22.3%まで増加。このほか「エリア強化(255%増)」や「長期収載品強化(206%増)」、「後発品普及(339%増)、「調剤薬局対応(10,595%増)」などとともに、特定のエリアや製品、顧客チャネルをCSOへ任せるケースが増え、新製品上市から特許消失後までの長いライフサイクルにおいて、広くCSOが活用されるようになっています。

また、「産休対応」は2%と割合は少ないものの、製薬各社におけるダイバーシティを重視した人事戦略にともない、今後の動向が注目されるところです。


*MR業務に従事する者のほか、医療機器担当者やMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、エデュケーショナル・ナース等を含む2009年~2011年のコントラクトMR数は、受注ベースの人数から実稼働数を算出

 
循環器・高脂血症領域が過半数、次いで糖尿病、中枢神経系

一方、活用領域のトップ3は、「循環器・高脂血症」「糖尿病」「中枢神経系」で、「循環器・高脂血症」は全体の6割を占める結果となりました。

「糖尿病」領域は、新しい作用機序をもつDPP-4阻害剤などインクレチン関連製剤が続々と投入されて、競合激化している状況を反映し、前回の中枢神経系に代わって第2位に浮上しています。

このほか、公費助成対策や啓発活動で市場が拡大する「ワクチン」や、圧倒的な新薬パイプラインを擁する「がん」、抗体医薬など新しいタイプの製剤が上市されている「骨・関節」領域などで年平均成長率が高く、市場の活性化にともない、さらなる伸びが見込まれています。


*MR業務に従事する者のほか、医療機器担当者やMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、エデュケーショナル・ナース等を含む2009年~2011年のコントラクトMR数は、受注ベースの人数から実稼働数を算出

 
共通指針のもと質向上とサービス開発を加速し、2015年に5,000人を目指す

報告会終了後の記者会見で清水昇会長は、「お客様の課題は高度複雑化している。日本でも欧米並みの市場成長が可能。共通指針のもと、CSO業界全体で人材・組織の質向上を図り、顧客ニーズの多様化に対応できる新しいサービスを加速させ、製薬企業の真のパートナーとして日本の医療向上に寄与していきたい」と総括しました。

報告会の様子

来月号は、本調査データに関する続編をお届けします。

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