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Vol.7:「消費税増税の話」

みなさん、こんにちは。特派員のT.T.です。

消費税増税から1年が経過しましたが、日本私立医科大学協会は、消費税増税による医療機関側の持ち出しが、協会加盟28校の本院、分院あわせて年間78億円に上ると発表しました。

保険医療は非課税のため、消費税増税となっても収入部分は変わりません。しかし、支出は消費税増税の影響を受けるので、増えます。この差額が出ないよう、診療報酬をプラス改定するなど対応しているのですが、実態としては持ち出しになってしまうようです。

設備投資など、設備関係の支出を除いた消費税増税分の診療報酬での補てん率は約7割だそうです。医療業界に身を置いていると、早期にこの状況を改善すべきだと思うでしょう。

しかし、世間の他の業界に目を移すと、消費税増税分を転嫁できないというのは珍しくないようです。消費税増税前の商工会議所の調査では、消費税増税を100%価格転嫁できると回答した企業は6割弱で、4割は持ち出し状態になっているようです。

消費税増税に合わせた便乗値上げが問題視されたのは、ずいぶん昔のことで、今は消費税が上がってもコスト削減の流れの中で、利益を削って価格を維持するケースが少なくないのでしょう。

収入側は非課税で支出側は課税というアンバランスな状態や、持ち出しという現象は決して正しくはなく、是正が必要です。しかし、消費税増税により持ち出しが発生するという点を捉えると、医療業界が特殊ではなく、案外多くの産業、多くの事業者が同様の状況に置かれているのですね。

執筆:日本CSO協会 特派員T.T.

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