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MRのためのよくわかる○○○

Vol.12:「リアルワールドデータ/リアルワールドエビデンス」

みなさん、こんにちは。特派員H.T.です。
最近様々な業界紙等で「リアルワールドデータ(以下「RWD」)」、「リアルワールドエビデンス(以下「RWE」)」という言葉を見かけるようになりました。今回は、今話題のこの2つの言葉をおさらいしましょう。

臨床の現場では、薬剤の臨床試験のデータだけでは十分対応しきれないケースがあります。例えば、ある患者さんが合併症などによって薬剤Aの臨床試験の除外基準に当てはまるものの、薬剤Aを処方せざるを得ない場合、効果や安全性はどうなるのでしょうか? これまでは、MRは立場上「データがありません」と答えるしかありませんでした。このようなケースに役立つデータがRWDです。

≪RWDとは?≫
RWDは、一言で言えば臨床現場のデータです。レセプトデータやDPCデータなどの実診療下のデータ、健診データ、各製薬企業が持つPMSや特別調査などの安全性データ、JMDC・MDV・JMIRIに代表される民間医療情報データベースなどが該当します。

≪RWEとは?≫
RWEは、RWDとは異なり、「RWDから導かれたエビデンス」です。一般的に介入の無い研究から得られた、戦略的な意向に従い生成された情報といえるでしょう。

≪RWD、RWEが示すもの≫
日本においてこの2つは、今後医薬品がもたらす患者にとっての価値、医療従事者の負担の軽減、社会的・経済的価値などを明確にすると考えられています。

欧米では既にRWD、RWEが医療の評価(HTA:医療技術評価)に用いられています。日本では今後、レセプトデータに健診データを組み合わせ、疾患の実態把握、生活習慣病の発症や重症化の予防、保健指導などに役立てることが検討されています。例えば糖尿病では、RWDから合併症のリスクを算出し、患者指導に生かすことで治療効果の向上と費用軽減が実現できるようになりました。

製薬企業では戦略的に、医薬品の開発やプロモーション戦略のデータとしてRWD、RWEを活用し始めています。このように、RWD、RWEは多方面で大いに期待されています。

執筆:日本CSO協会 特派員H.T.

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