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Vol.14:「症例ベースのディテーリング」

みなさん、こんにちは。特派員H.T.です。
かねてから「症例ベースのディテーリング」という言葉をよく見聞きします。そこで今回は、この「症例ベースのディテーリング」について皆さんと一緒に考えていきましょう。

例えば、手術が必要ながん患者さんが糖尿病を合併していた場合、どのように治療するかご存知でしょうか? 手術が先でしょうか? 糖尿病の治療が先でしょうか?

糖尿病の専門医によれば、このような症例ではまず入院での糖尿病治療から始めるそうです。それは、糖尿病の患者さんの場合、
(1) 手術がしにくい、手術の術野の回復が遅れやすい
(2) 易感染性のため、感染症の恐れもある
(3) 糖尿病の患者さんは腎機能も落ちていることがあり、この場合腎排泄の抗がん剤が使いにくい、副作用も強まる恐れがある等、注意すべき点がたくさんあるからなのだそうです。

糖尿病治療は、重症度にもよりますが、およそ10日~2週間ほど入院し、インスリンを投与し、1日4回位血糖値を測定するそうです。そして糖尿病専門医が患者さんの状態を「手術に耐えうる」と判断した後、がんの治療が始まるとのことでした。

この場合、同一施設に糖尿病専門医とがん専門医が必要ですが、実際の病院では両者がそろっている施設は限られます。そのことを知らない患者さんが多いため、通院が増えるなどの不利益をこうむる患者さんもいます。

このように見てきますと、「症例ベースのディテーリング」とは、臨床をよく知れば知るほど実行しやすいと考えられます。患者さんの詳細な状況を理解できるように学び、Drとの信頼関係があって、「患者さんのために」という思いがあれば、「症例ベースのディテーリング」はうまくいくことでしょう。また、自社製品が処方された患者さんの、副作用の発現状況の確認を継続することも一つのやり方ですね。

執筆:日本CSO協会 特派員H.T.

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