メニュー

CSOのひと

ケース35:コントラクトMR体験記 第3回(現職:人材開発部門マネージャー)

Chiharu Hayase

コントラクトMRとして幅広い役割を経験し、視野の広がりを実感。キャリアの幅も大きく広がりました

早瀬 千春 (CHIHARU HAYASE)
[プロフィール]
薬剤師免許取得後、内資系製薬会社MRとして9年勤務し、CSO業界に転じる。コントラクトMRを経て、現在は人材開発部門で能力開発や配属のサポートを担当。


――製薬会社MRからCSO業界を選んだ理由からお聞かせください。

早瀬:製薬会社では営業はMR、企画は企画部署と業務の割り振りが明確に決まっていました。伸び盛りの医療業界に身を置きつつ、1つのエリアだけ担当するのではなく、幅広い役割をもったMRになりたいと考えていたところ、営業(MR)だけでなく、クライアント本社と企画を練り、マーケティングを実施しながら「育薬」と「疾患・治療の認知向上」を担当して欲しいとオファーをいただき、これが私のやりたかったことだ!と転職に踏み切りました。

――製薬会社MRとコントラクトMRの活動の違いは何ですか?

早瀬:コントラクトMRは期間が明確に限られている中でミッションを達成しなければならないこと、また幅広い知識を持っていればそれが強みになることだと思います。

私のコントラクトMRとしてのミッションは治療法も製剤名も認知度が低い疾患領域で、患者さんの受診率を上げ、Drに対しては治療法と製剤の認識を深めてもらい目標達成することでした。啓発と同時に目標達成をしなければならない状況でしたので、期間内で長期的課題と短期的課題の2つに分けて課題解決に向かう必要がありました。

短期的課題に対しては効率性を重視し、研修会などの組織活動を重点的に実施して、Drに対して一度に情報を伝えられる機会を作りました。また、私の担当エリアは広く、訪問先の多くがアポイント制でしたので、情報を基に訪問する優先順位を決め、重要事項を先に時間を区切ってスケジュールすることで効率を上げました。

長期的課題に対しては効果性を重視し、最終的に患者さんに治療法が認知されるよう市民セミナーやイベント企画をクライアント単独や時には競合メーカーと協同で取り組んできました。

コントラクトMR活動をして初めて分かったのですが、私たちは実績で貢献するだけでなく、メーカーとCSOが真のパートナーになるためにクライアントの潜在ニーズを探り、その課題解決を行うため、課題解決につながる知識がとても大切だということです。それは営業所全体の雰囲気を変えることであったり、営業所単位で成果を出す仕組みや戦略、周辺知識やスキルの共有でした。ですから、何がクライアント満足につながるのか、マネージャーと喧々諤々議論を戦わせたことが苦労した点であり楽しくもあった点でした。そしてコントラクトMRは多くのプロジェクト、それも領域や戦略など全く違う経験ができるので視野が広がり、多くの課題解決につながる知識・スキルを得る機会に恵まれていると思います。

――素晴らしい業績をあげておられます。

早瀬:製品のエリアマネジメントの一環として市民セミナーを開催し、製品売上を4期連続で営業所計画100%を達成、営業所に貢献しました。コントラクトMR時代は疾患に対する治療の普及度が低く、製品の認知度も低かったためエリア全体でマネジメントが必要と感じていました。

当時は、この治療法を熟知し、製品の良さを広く啓発してくれるKey Drの育成が課題で、クライアント企画部に交渉してエリアでの市民セミナーを企画しました。その結果、患者さんの受診が促進され、エリア全体での処方につながりました。

――業績を上げるにあたっての苦労、その解決策は?

早瀬:営業所単位で実績を出すための取り組みとしてMRの製品・疾患知識レベルとディテール能力アップを図ると言う課題がありました。私はプロジェクトのメンバー2名とマネージャーとクライアント企画部で企画を立ち上げ、研修時に活用できるロールプレイビデオを作成しました。これはCSO社内で共有していた知識とクライアントの知識を掛け合わせた力作と評価され、クライアント社内研修資料として活用されました。その際には、CSO社内で受けたスキルトレーニングや知識トレーニング(テストあり)は大変役に立ちました。社内とクライアントで課題解決のチームを組めたことはとても勉強になり、貴重な経験でした。

――コントラクトMRから現在は人材開発部門におられます。

早瀬:私がコントラクトMRとして所属していたプロジェクトは、内資系の異業種出身コントラクトMRが大部分を占める大型プロジェクトでした。当時のマネージャーは包容力とリーダーシップで組織運営をされており、社内からも異業種出身者の「育成」について大変注目されていました。私たちの話も良く聞いてくださり、ご支援いただきました。

マネージャーから「今までの経験を活かして若手の育成を手伝って欲しい」と言われ、不慣れながらも業界の話、制度の話、コンプライアンスの話、MRとしてノウハウを若手メンバー中心に伝えていく中で、「育成」へのやりがいを感じ、マネージャーのキャリアを意識するようになりました。プロジェクトマネジメントには協力者との連携が大切であると気づき、誠実に人と対応するために、それぞれの価値観を尊重したコミュニケーション力が身についたことで決心しました。社内のダイバーシティ促進のためのワーキングチームに参加し、社内での働き方を模索する多くの方がたのサポートをしたいと考えるようになりました。

コントラクトMRからマネージャーへ、そしてダイバーシティ促進のワーキングチーム一員として、個性ある個々人の能力を組織の中でどのように活かすか、現在の配属サポート業務においてMRの皆さんそれぞれの長所を見つけ、能力を引き出すお手伝いや関係各部署との連携への対応に活かされています。

――今後のキャリアビジョンをお聞かせください。

早瀬:コントラクトMRも女性が増えてきて、活躍の場が広がっています。会社としてダイバーシティを促進し、社内の活性化を図り、今後の医療業界の変化に対応できる体制をつくっていきたい、女性・男性共にお互いが仕事に誇り、やりがいを感じ、尊敬の念を抱けるチーム・プロジェクト・会社を創造する役割の一端を担いたいと思います。

CSOのサービス

CSOのひと

MRのためのよくわかる○○○