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Vol.22:「近い将来の地域医療 ~病床機能報告制度と地域医療構想~」

皆さん、こんにちは。特派員H.T.です。
2014年10月から病床機能報告制度が始まりました。2016年も10月には一般病床・療養病床を有する病院・有床診療所が、各都道府県に報告します。

また、2016年からは、病床機能報告のデータの精度を高める工夫もなされました。この点から、近い将来皆さんが担当している地域の医療がどうなるのか予想できそうです。

そこで今回は、この点を皆さんと一緒に見ていきましょう。

まず、従来の病床機能報告制度では、当該情報について病棟単位で把握することができず、具体的な分析を行うことが困難でした。

2014年度の病床機能報告制度の結果、病院が高度急性期・急性期と報告したにもかかわらず、実際には一般病床のように使われているベッドが多数存在したという話題を、皆さんもお聞きになったことでしょう。

そのため、入院患者に提供する医療の内容を病棟単位で把握が可能となるよう、2016年の診療報酬改定に伴うシステム改修等に併せて、電子レセプトに病棟コードの記録を開始しました。

これにより、2016年度の病床機能報告から、報告項目について、病棟単位での分析が可能となり、今後、病床機能報告制度の改善に向けた検討を進めるとともに、地域において当該情報を関係者間で共有することで、機能分化・連携が進むことが予想されます。

また、病床機能報告は、全都道府県の地域医療構想の策定の基本情報です。と同時に、都道府県の市区町村は国民健康保険(国保)の保険者でもあります。すなわち、今後は行政が医療費のやりくりの他、地域医療構想も策定・進行管理するということです。そうなりますと、1) 増え続ける社会保障費の伸びの抑制、2) 国が掲げる2025年の必要病床数の実現に向けて、各都道府県がそれぞれベッド数を減らしていくことが予想されます。

これは皆さんの担当先の院長先生等には非常に悩ましい、頭の痛い問題です。ベッド数が変われば、病院の収益にも影響が出ますからね。

ベッドの数と機能が変われば、患者さんの流れも変わります。処方の流れも影響を受けることでしょう。私たちMRの担当も病院担当・開業医担当から地域担当に変わっていく必要があるかもしれません。

各都道府県の病床機能報告や地域医療構想は、インターネット検索で「都道府県名」と「病床機能報告」もしくは「地域医療構想」と入力すると内容を確認できます。担当先の先生方と、今後医療がどのように変わっていくのかを話し合うというのも、新たな情報が得られる活動、新たな企画につながる活動と考えられますね。

執筆:日本CSO協会 特派員H.T.

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