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Vol.23:「全国の病院数・病床数」

皆さん、こんにちは。特派員H.T.です。
先日2016年9月6日に、厚生労働省が2015年の医療施設調査(資料1)と病院報告(資料2)の結果を公表しました。今回は、この公表内容を皆さんと一緒に見ていきましょう。尚、医療施設調査と病院報告の全データについては、同省ホームページでご確認いただけます(URL: http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1a.html)。

■全国の病院数
全国の病院数は8,480施設で、前年と比べて13施設減少しています。都道府県別で見ると、東京都・埼玉県・福岡県など11都府県では前年よりも増加していました(東京都6施設増、埼玉県・福岡県2施設増など)。一方、19道府県では病院数が減少していました(鹿児島県4施設減、北海道・岡山県3施設減など)。これらのことから、全国の都道府県の間で、病院数の格差が広がっていることが明らかになりました。

■全国の病院の病床数
病院の病床数は、計156万5,968床で、前年から2,293床減少しています。東京都(1,056床増)・千葉県(574床増)・奈良県(272床増)など11都府県で増えています。一方、北海道(825床減)や兵庫県(393床減)など36道県で減少していました。2014年と変わらず、病院の病床数が最も多いのは東京都(12万8,166床)、最も少ないのは鳥取県(8,706床)で、2都県の差は前年の11万8,388床から11万9,460床に広がりました。

■病院の一日平均在院患者数
全国の病院の一日平均在院患者数は125万5,404人で、前年と比べ5,777人減りました。人口10万人当たりの都道府県別一日平均在院患者数は11県で増え、36都道府県で減少しています。前年と同じく高知県(2,107.4人)が最多、神奈川県(645.5人)が最少で、2県の差は前年比33.2人に拡大しました。従来から高知県は人口に比してベッド数が多く、患者さんが病院に集まることが指摘されていましたが、今回もそれを裏付ける結果でした。

■病院の一日平均外来患者数
病院の一日平均外来患者数も、在院患者数同様に前年の137万2,114人から136万6,693人に減少しています。都道府県ごとの人口10万人当たり患者数は、17県で増えた一方、30都道府県で減りました。前年と同じく高知県(1,745人)が最多、静岡県(833.7人)が最少で、両県の差は前年比17.7人に拡大しています。

■有床診療所数・無床診療所数
2015年の調査で、有床診療所は7,961施設でした。2014年と比べ394施設減りました。以前から、有床診療所の施設数は減少傾向が続いていました。一方、病床を持たない無床診療所は9万3,034施設で、前年と比べ928施設増えました。

厚生労働省の報告ではこのような変化の原因について言及されていませんが、下記のような複数の要因がありそうです。
在宅医療の進展により、通院・入院の減少
医師の高齢化や跡継ぎ不在等による閉院
家計の緊縮による、受診の控え
これらの環境の変化が、MR活動にじわじわと影響を及ぼしそうですね。

担当先の先生へ病院数や通院・入院の減少について話してみることによって、その先生の悩み事が見つかるかもしれませんね。

執筆:日本CSO協会 特派員H.T.

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