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Vol.32:「TOPが語る」
― 第2回 アポプラスステーション株式会社 代表取締役社長 阿部 安孝 氏 ―

シリーズ第2回は、アポプラスステーション株式会社の阿部社長へのインタビューです。

―― 阿部社長は、ご自身のブログに『MR社長が往く』というタイトルをつけておりますが、今回はMRとしての視点で、CSOでコントラクトMRで働くことと製薬企業のMRとして働くことの違いについてお聞かせ下さい。

阿部社長:私自身は、縁あって製薬会社の現場からCSOの社長に就任しました。ブログのタイトルはMRの気持ち、現場感覚を忘れないようにと名付けました(継続研修も受けています!)。今回は、MRとしての自分の経験と、CSO企業での4年の経験からコントラクトMRについて話させていただきます。

一般に製薬企業のMRは5年から10年くらいで転勤がありますが、コントラクトMRは2~3年をひとつのサイクルとして企業間を異動するため、大きな環境の変化があります。

主な変化としては、①担当製品が変わる ②上司が変わる ③会社が変わる ④担当地域が変わることの4つが上げられます。これが働き方として最も大きい差異ではないでしょうか。

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阿部社長

―― 4つの変化について具体的にはどんなことが変わり、それはコントラクトMRにとってどんな意味を持つのでしょうか?

阿部社長:① 担当製品が変わる
MRにとって大きな変化の一つ目として、取り扱う製品が変わります。今までの知識だけではMR活動が難しくなりますが、新たな知識を習得することでより広い視野に立ったMRとして成長ができます。

例えば、生活習慣病の治療薬から抗がん剤に異動した場合、抗がん剤投与中に高血圧や糖尿病の治療薬は継続して良いのかといった対応も可能になります。同じ糖尿病の治療薬を扱うプロジェクトへの異動時は、その会社のディテーリングメッセージに従った活動は行いますが、同効薬を別の目線で見ることができるため、より公平なMR活動が可能になると思われます。

また、ジェネリック医薬品から新薬に異動した場合は、保健薬局のニーズと処方施設のニーズを理解した上での橋渡しも可能となります。

② 上司が変わる
次に自分にとっての上司が変わります。クライアントである製薬企業でお世話になる上司と、所属するプロジェクトが変更となった場合は、上司であるプロジェクトマネージャー(以下PM)の両者が変わります。社会人として成長する上で、上司の存在は非常に大きいと実感しています。

同じ会社でも違いがありますが、別の会社の上司による違い、例えば内資と外資、大きな会社と中小の会社、取扱い製品によって異なると思われます。自分が将来のキャリアとしてマネージャーを目指す時に、ロールモデルとして尊敬できる上司に数多く会えます。残念ながら反面教師となってしまう上司にあたることもありますが、いいとこ取りをすることで自分の成長に結びつけることができるはずです。

③ 会社が変わる
一般の委受託、派遣の場合は、派遣先の企業名でMR活動を行い、クライアントと同じ営業所に勤務します。企業によって独自の文化があるため、仕事の進め方、コミュニケーション方法が変わります。複数を比較することで、いわゆる批判的思考が身に着きます。ここでは、あら探しではなく、「見かけに惑わされず、多面的にとらえて本質を見抜くこと」という本来の考え方として捉えて下さい。

もっと大きな視点でいえば、各社のビジョン・ミッションを理解し、体感することで、社会人としてどうあるべきかを考えるきっかけにもなります。日本では、転職回数が多いことはあまり良いことと受け止められていないため、複数社を経験することは難しいのですが、CSOであれば履歴書を汚さずに経験できます。

④ 担当地域が変わる
もちろん、エリア限定で働くコントラクトMRの場合は、同じ都道府県に留まるので変化は少ないのですが、一般的には異なる都道府県に異動します。全く土地勘の無いところで働くことに対する抵抗はあるかもしれませんが、多くの社会人にとって、特に全国展開している企業の営業職にとって転勤は避けて通れない課題です。

私も何回か転勤はしておりますが、知らない土地の文化に触れることができると前向きに捉えてきました。特に、生活しないと分からない食べ物、お酒(笑)に数多く出会うこともできました。前回のIML株式会社 白石代表取締役社長のコメントにもありましたが、「医職住」の視点を忘れずに職場や担当先で出会う人だけでなく、地域の方々との積極的な触れ合いは大切にしてきました。

―― 最後にCSOの経営者として、またCSO協会の副会長としてこうした『変化』に直面するMRへの支援について教えてください。

阿部社長:「変化」はメンタルヘルスマネジメント上、大きなストレスとはなりますが、サポート体制として各社のプロジェクト・マネージャー(PM)が、現場との繋ぎ役、キャリアやメンタル面等の相談役としての役割を果たしています。各社とも独自にPMの教育研修を実施しており、協会としても3つの委員会活動を通じてマネジメントのレベルアップに取組んでいます。

また、地域包括ケアの推進、かかりつけ機能など環境の「変化」への対応については、特定の製品に縛られないCSOだからできる自由な発想で取り組むことも可能です。

コントラクトMRが誕生して18年が経ち、日本CSO協会が結成されてから5年が経ちました。最近は、CSO、コントラクトMRという言葉は医療業界では定着してきましたが、まだまだ一般の人々には馴染みが薄いかもしれません。協会としての活動を通じて、社会的な認知度向上に取組んで行きますので、是非皆さんも医療業界以外の友人にCSO協会のホームページを紹介し、メルマガ登録を推奨して下さい。

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