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Vol.35:「指定難病医療費助成制度」

日本CSO協会のWebサイトにご来訪いただき、ありがとうございます。

MRの皆さんの中には、指定難病の適応症を持つ医療用医薬品を扱っている方もいらっしゃるかと思います。
今月はK.W.が「指定難病医療費助成制度」について簡単にお伝えします。

まず、難病患者に対する医療費助成の変遷ですが、以前は特定疾患治療研究事業と呼ばれ、助成対象は56疾病のみに限られていました。その後、助成の拡充についての議論が進み、平成26年11月に「難病の患者に対する医療等に関する法律施行令」、及び「難病の患者に対する医療等に関する法律施行規則」が公布されました。平成27年1月には「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行され、110疾病を指定難病として医療費助成を開始。同年7月には196疾病が追加されるなど、現在では330疾病が助成の対象となっています。国の定める330疾病以外でも、都道府県が独自で助成している疾病もあり、以前と比べて助成対象が大幅に増加されています。

医療費助成の対象となる指定難病は、難病の4要件に指定難病の2要件を加えた6つの要件を満たすものになります。
難病の要件
1) 発病機構が不明
2) 治療法が未確立
3) 希少な疾患
4) 長期療養が必要
指定難病の要件
5) 国内の患者数が一定数(人口の約0.1%程度)を超えていない
6) 客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立している

医療費助成対象患者の認定基準については、疾病ごと助成対象となる基準(診断基準・重症度分類)が設定されています。患者さんが助成を受けるためには、都道府県の指定を受けた難病指定医が作成した診断書(臨床個人調査票)を含めた申請書類を都道府県に提出し、支給認定を受ける必要があります。そして、都道府県の指定する難病指定医療機関での診療などに限り、医療費の助成を受けることができます。詳しくは、厚生労働省の難病対策のページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nanbyou/index.html)や難病情報センターのホームページ(http://www.nanbyou.or.jp/)などで確認することができます。

難病患者さんの医療費の窓口負担割合は原則2割ですが、さらに所得に応じた自己負担上限額が設定されています。例えば、年収約370万円~約810万円の「一般所得II」の区分では、入院+外来で月額20,000円となっています。自己負担上限額の設定は、症状が変動し入退院を繰り返すなど難病の特性に配慮して外来・入院の区別を設定しないことや、受診した複数の指定医療機関等の自己負担をすべて合算した上で負担上限額を適用するなどの特徴があります。

今回は、指定難病について説明しましたが、まだまだ私たちの知らない疾病や、治療によるQOLの維持や医療費の負担で大変な思いをされている患者さんが、多くいらっしゃると思います。今回の執筆にあたり、このような制度がもっと理解・認知され、より多くの患者さんが支援を受けることができればよいと感じました。

執筆:日本CSO協会 K.W.

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